毎度の如く、ターミナルカードはいまいちどんな動きをするのか、ぱっと見だけでは把握しにくいものが多い。しかしどの勢力も、それぞれの個性をまた面白いかたちで引き伸ばしてきたようで、なかなか楽しそうだ。・・・滅んだ勢力もあるみたいだけどね! くそう!
設定的には、いくつかの種族間での共同戦線のような気配が見て取れる。特にエクシーズモンスターは、ベース種族に別の勢力の力を足したようなデザインのものが多い。モンスターファームを思い出すなぁ、ちょっと。
●ジェムナイト・オブシディア
手札からの融合に使ってよし、「サンダー・ブレイク」等のコストにしてよし。さらにジェムナイトデッキならば「D・D・R」も普通に積める。これはなんだかぐるぐる回せる予感がするぞ。バニラデッキでも採用できそうだが、やっぱりまずはジェムナイトで活躍させてあげよう。タイミングを逃さない、「場合」ってテキストは便利だなぁ。
●ジェムナイト・アイオーラ
確かにジェムナイトはバニラを活かそうとしていた種族でもあったが、デュアルという発想はなかった。比較対照は「ルマリン」であり、どちらを使うかでデッキの構築にも結構な影響を及ぼす。
ステータスの差はぶっちゃけ微々たるもの。ルマリンは「アクアマリナ」、「アメジス」の指定融合素材になるが、こちらはアクアマリナには融合できない。また、「ジェムナイト・アレキサンド」のリクルートに対応していないポイントも重要。逆に、これと「アンバー」を使う場合、「デュアルスパーク」や「スーペルディス」から爆発的にアドバンテージを稼ぐことができるようになるか。対応力、安定性、爆発力、いろんなものを量りにかけて考えてみよう。
●ジェムナイト・アンバー
これもデュアルで、比較先は「ルマリン」。やっぱりステータスの差は大した問題ではなく、比較ポイントも「アイオーラ」とルマリンのパターンとほぼ同様。さて、アイオーラ共々デュアル後の効果を全然視野に入れていないことに気付いた。どちらもなかなか強力なことを書いているようには思えるのだが、実際動いているところを見ないと未知数だなあ、デュアル型は。
●ラヴァル炎湖畔の淑女
ラヴァル炎なんちゃらのなんちゃら女シリーズ。やっぱりチューナーで、レベルは今回は3。やっぱり守備力200。これだけでもある程度は充分。ラヴァルデッキには、墓地と除外ゾーンにそれぞれ別々の役割と使い方があるので、それをノーコストの墓地発動で調整できるのも便利そう。オマケとばかりに相手のセットカードまで割る。裏守備のモンスターまで割れるのも評価。総じて、こいつなかなかやれる子じゃね?
●ラヴァル・コアトル
ラヴァルのレベル2チューナーは「炎樹海の妖女」がいるので、どっちを選ぶか、ってところ。特殊召喚できるチューナーの強力さはすっかりおなじみだが、向こうは「フレムベル・ヘルドッグ」、「真炎の爆発」に対応してる守備力200。効果こそオマケ程度とはいえ、爆発ギミックを採用してる以上、対応するチューナーは大きいよなぁ。いっそ両方採用してみる?
●ラヴァル・ガンナー
5枚の墓地肥やしとはまた豪勢な効果。さらに攻撃力アップ、名前といい「カードガンナー」を意識してる気はする。カードガンナーとは違い、効果は召喚時に一度きり、その代わり攻撃力アップは永続。その攻撃力アップもある程度不確定なので、アタッカーとして信頼し過ぎるのも危険だが。とはいえ、墓地肥やしの重要なラヴァルでは優秀なことに違いはない、と思うのだけど・・・ラヴァルの墓地肥やし要員って、もう足りてるのかな、もしかして?
●ヴァイロン・ペンタクロ
ジェムナイトがデュアルという新境地を開拓したなら、元々装備カードというテーマであったヴァイロンがユニオンに走るのは道理なのかもしれない。ユニオン効果自体は優秀で、発動条件の戦闘破壊も墓地へ送る必要がないのでトークンOK。「ゲットライド!」を使うにもヴァイロンは墓地肥やしが得意なテーマでもないし相性もそこまでよくないし、ユニオン先と並べる展開力さえあるなら充分活躍しそうな気はするのだが。
●ヴァイロン・テセラクト
こちらもユニオンで、これもまたユニオン効果は優秀。「ペンタクロ」共々、しっかり戦闘にも効果破壊にも耐性はつくし。ただ、両方とも戦闘破壊をトリガーにして発動する効果なので、できればシンクロヴァイロンあたりにくっつけたいところ。並べれるっかなー。
●ヴァイロン・スティグマ
移し変えるならはじめからその移し変え先にくっつけとくべき、じゃないかなぁ。相手の攻撃に合わせて「ヴァイロン・プリズム」を攻撃対象に付け換えれるように牽制したり、除去の破壊の身代わりになるユニオンを付け替えたり、ユニオン付ヴァイロンで攻撃して効果発動後、別のヴァイロンの攻撃時にもユニオンを移動させてもう一度効果発動するとか、できることは多そうなんだけどね。これも実際の使い勝手が未知数か。
●ヴィジョン・リチュア
「シャドウ・リチュア」が儀式魔法をサーチ、こちらは儀式モンスターをサーチ。ちゃんと一体でリチュア儀式コストを賄う効果も持っている。成程、影と幻影か。このカードの登場で、リチュアはぐるんぐるん回るようになった。「リチュア・アビス」からこのカードもリチュア・シャドウもサーチできるので、実質リチュア・アビスのサーチ可能先がびっくりするほど広がっている。
●リチュア・エミリア
デュアル、ユニオンって来たからって無理にスピリットとか対抗しなくても! 召喚時に効果が発動するリチュアは多く、それらのほとんどはサーチだったり特殊召喚だったりして、デッキを回すために必要になる効果。よって、何度も使えるのは魅力かもしれないが、召喚権を使わなくてはならないのはリチュア的には厳しいものだろう。リチュアとスピリット・・・リチュア以前のターミナル水属性テーマ、氷結界に「神精霊」がいた繋がり・・・かなあ。
●リチュア・シェルフィッシュ
手札から儀式素材にすることでも効果は発動するが、「ジェムナイト・オブシディア」と比較すると効果を発動しても直接アドバンテージに繋がるわけじゃないしなぁ。ステータスも中途半端だし、これはちょっと使い難いか。
●ガスタ・ファルコ
相変わらず、ガスタはリクルーターだらけで何が何を呼んで来れて、何は何から呼んで貰えるのかさっぱり判らん。こいつのリクルート効果発動条件は戦闘以外で墓地へ送られたら、裏守備でのセットか。そのかわりガスタなら何でもリクルート可能、自身はレベル2チューナー。戦闘以外で破壊される場合はバトルフェイズ前が多く、裏守備で呼んできたモンスターは殴り倒される可能性が高い。しかし自分のターンで「リミット・リバース」の自壊などから狙おうにも、これも呼んできた裏守備モンスターはこのターン表示形式を変更できない。ジレンマ。
●ガスタの希望 カムイ
やっぱりリクルーター、発動条件はリバースで、呼んでくる先はチューナー。「ガスタ・ファルコ」とは互いにリクルートし合えるし、レベル的にもイラスト的にもこの辺から「ダイガスタ・ファルコス」を呼ぼう、ってことなのだろう。ガスタの裏守備モンスターはリクルーターの可能性が高いため殴るのは躊躇いがちだが、このカードの存在から攻撃を強要できる。攻撃せずに、自分から反転召喚でリクルートされてしまうと厄介だからね。悪くないカードなんじゃないだろうか。
●ガスタの神官 ムスト
ガスタの下級アタッカーでは最高打点であり、効果もなかなか優秀。墓地のガスタをデッキへ戻すのも、相手の効果を無効にするのも、両方ね。入れる余地があるのなら、ガスタデッキならば2枚ほど挿せば安定するか。リクルーターだらけのデッキなので、「閃光の追放者」とか「フォッシル・ダイナ パキケファロ」あたりを戦闘破壊できるクラスのモンスターは欲しい。一応、ドロー効果持ちの1700打点、「カーム」さんは存在したけどね。
●イビリチュア・ガストクラーケ
ハンデスとしては非常にえぐい、相手の手札をある程度見て選び、しかもデッキに戻す。「ヴィジョン・リチュア」の登場から、サーチも非常に簡単なので、先行1ターン目から2,3枚のハンデスは楽に狙えるレベル。出てしまったあとはバニラだが、それでも2400の攻撃力は及第点。新世代リチュアの主力カードだろう。
●ジェムナイト・アメジス
前弾でなぜか放っとかれた水族の融合ジェム。守備的モンスターなのにアクアマリナと比べて攻撃力が中途半端に上がり守備力が下がる、たまにある「いやそこじゃない」的なステータスの変動が微妙に気になるが、まあいいとして。セットカードのみのハリケーン、タイミングはアクアマリナと同じ。表側の魔法・罠もまとめてバウンスしてくれれば有難かったのだが、何とも言い辛い効果になってしまっている。確実にモンスターも1枚バウンスできるアクアマリナのほうが、個人的には使いやすくて評価は高いかなー。
●ラヴァルバル・ドラグーン
ラヴァル的にはこの効果を待ってた、というところじゃないのだろうか。攻撃力も及第点、レベルを見てもシンクロ難易度も高くはない。ラヴァルデッキでまずこのカードのシンクロを目指していく、という指針の一枚。
●ダイガスタ・ファルコス
効果があるので実質2000。元々のステータスがぎりぎり「奈落」に落ちないのはちょっとした気配り調整なのかしら。貴重なレベル4シンクロモンスターだし、効果も永続的アップ、優秀な部類に入るとは思うのだが、他にも別レベル帯のシンクロが狙える選択肢にある状況でなら、このカードに優先順位が回ってくるかと言われると・・・確かにちょっと首を捻るかなぁ。ガスタは600アップではまだ微妙なラインの低攻撃力が多いのも一つか。
●ジェムナイト・パール
ここからはエクシーズ達。エクシーズは勢力どうしを掛け合わせたようなものが多い中、こいつだけは純正のジェムナイトに見えるのだが。パールさんはジェムナイトでダテ男だ。てっぺき、よって無敵。
効果はなし、バニラエクシーズ。単体ではエクシーズ素材の使い道がないため、墓地に送りたいモンスターを使ってのオーバーレイは少し危険かもしれない。が、逆に言うならばこいつのオーバーレイ・ユニットは何にいくら使っても大丈夫。「蒼血鬼」を使ったアンデットデッキなどでは、エクシーズ先としてこれ以上ない逸材。2600という攻撃力も地味に高いので、どんなデッキでもレベル4を並べればそれだけでこれだけの打点は出せる、というのはルールの域まで影響を及ぼすポイントか。「ガイアナイト」で懲りているのか、ランク4エクシーズの最高打点は今のところ、バニラであるこのカードを基準にしそうな気配がある。
●ラヴァルバル・イグニス
ラヴァルメイン、ジェムナイトサブってところか。今回のエクシーズで最も残念な子。2300バニラにしてあげたらよかったやん・・・。同じランク3では「リバイス・ドラゴン」に完敗。ラヴァルの名を冠していることだけで何かに使ってあげられるだろうか・・・?
●ヴァイロン・ディシグマ
ヴァイロンメイン、インヴェルズサブ、かな? レベル4を3体使うって結構大きいけれど、やること自体は強い。まずは「サクリファイス」系統の、装備カード化除去。3体でのオーバーレイなので、1ターンに1度、3回まで使える。この手の除去は破壊耐性もなんのその、すぐには墓地に送らないのもあって除去の中でも一級品。さらに、こうやって装備したカードと同じ属性のモンスターに対して「カタストル」化する。こっちで勝手に装備したモンスターでもこの効果は発揮されるので、装備カード化するヴァイロンと組み合わせれば、光属性に対して無敵になれる。ちょっと無理しなきゃ出せないかもしれないが、割とそれだけの活躍はしてくれるかも、しれない。
●イビリチュア・メロウガイスト
リチュアメイン、ガスタサブ。ランク4エクシーズも随分選択肢が増えた。何だかこのカードの評価が高いところをあんまり聞かないのだが、個人的にはランク4エクシーズの中でもかなり上のほうだと思うんだけどなぁ。墓地発動のリクルーターやサーチャー、自己再生モンスター潰しができるカードは確かに他にもあるが、それがどんなデッキでも状況に応じて使えるようになった、というのが重要なポイントなんじゃないのだろうか。
●ダイガスタ・フェニクス
ガスタメイン、ラヴァルサブ。現時点でのランク2エクシーズは選択肢が少ないが、少なくとも「ガチガチガンテツ」とは役割は違う。単体では1500の2回攻撃アタッカー、攻撃力的にはダイレクトアタックできる状況以外ではあまり活躍できなさそう、かな。風属性モンスターを他にも使うならなしではないが、トークンを使わずにレベル2モンスターが並びそうなデッキがあんまりないからなぁ・・・。
●パーティカル・フュージョン
攻撃力アップ・・・弱くはない。弱くはないんだけど、やっぱり「ジェムナイト・フュージョン」より優先する理由がなくて、そうすると入れる理由も一緒になくなりそうで・・・。
●ヴァイロン・ポリトープ
守備表示の召喚なので、攻撃役に使うことはできない。ならば、元々装備カードになりたいからモンスターから装備化したのに、それを戻す意味はあんまりない。シンクロ、エクシーズに使って下さいということなのだろうけど・・・。
●ヴァイロン・セグメント
ヴァイロン装備魔法はどれも、墓地へ行ったらヴァイロン装備魔法をサーチできる。同名カード不可とは書いてないので、つまり最も有用なものを1~2種類選択することになる。装備魔法だけで考えると、「攻撃力600アップ」、「守備貫通」、「アンティーク・ギア化」、そしてこのカードが「対象を取る罠・モンスター効果無効」。どれも地味だが、下級ヴァイロンのサポートにもなる攻撃力強化「ヴァイロン・マテリアル」と、シンクロヴァイロンサポートならばこのカード、「ヴァイロン・セグメント」が個人的には評価高いかな。
●炎塵爆発
ド派手なカードだが、自分の墓地がすっからかんになる。確かにラヴァルは除外ゾーンも使うが、墓地も少なからず使うので・・・このカードを発動する場合は思い切りが要る。対象をとらないので、破壊するカードを決め手からチェーンされることはないし、これを使って決めてしまえば問題はないのだが。真炎の爆発よりもリスクは大きいが、これはこれで切り札となる一枚だろう。
●儀水鏡の幻影術
効果は無効にされていないが、儀式召喚時に発動する効果は勿論使えない。というかそもそも、リチュアの儀式モンスターは普通にやってればぽんぽん儀式召喚できる。とすると使い道は壁に使う以外にないのだが、ならば「メタル・リフレクト・スライム」でいいでしょう。
●ガスタのつむじ風
墓地にガスタが2匹以上で自分の場にモンスターがいないこと、という条件から、基本的には巻き返しの起点用のカードだと思われる。リクルーターで繋ぐことも、アタッカーの「ムスト」、上級モンスター「ウィンダール」も呼べる。デッキに戻したカードを呼ぶこともできるので擬似蘇生みたいなこともできるのだが、「ガスタへの祈り」がしっかり蘇生カードで、やっぱり自分の場にモンスターがいないこと、っていう条件がこのカードの評価を下げてるかなぁ。