少し遅れたが、ターミナルの新弾「オメガの裁き!!」のカードについて。ターミナル勢はあまり触ったり戦ったりしていないのでいまいち実際の使用感がわかりにくいのだが、そこはご愛嬌。
今回は2回に分けて登場した6勢力全てにテコ入れが入り、ヴァイロンのチューナーそれぞれが4勢力に合体してボスの姿をつくっているって設定は面白い。物語の主となるヴァイロンとインヴェルズがやはり新カードの枚数も多いのだが、インヴェルズの上級、固有名詞付きの連中はレベル5から1ずつレベルが上がり、そのたびに攻撃力が200ずつ増えていって・・・レベル10まで全てのレベルが揃ってしまったのだが、これでインヴェルズは打ち止め・・・なのかなあ?
●ジェムナイト・クリスタ
最上級バニラ。特別な融合素材となるわけでもないのだが、バニラということは「ジェムナイト・アレキサンド」の効果を使ってリクルートが可能。事故要員ではあるが、攻撃力2450のモンスターを通常召喚できると考えると弱くはない。事故要員にもなるし、融合特化の形なら必要ないだろうが、下級ジェムナイトにより小競り合いにも力を入れるタイプならば悪いカードじゃない、かな?
●ラヴァル炎火山の侍女
ラヴァルと名のついたレベル1チューナーなので、「紅蓮地帯を飛ぶ鷹」にとって変われるだろうか。墓地肥やし要員として見ても比較的優秀だし、とりあえずそちらのほうをメインと見て投入枚数を検討するべきか。
●ラヴァル・キャノン
ラヴァルは墓地をコストとして使うカードが多く、それがうまい事噛み合わなさに繋がっていたのだが、そこの橋渡しをしてくれるのがこのカード。「炎熱刀プロミネンス」あたりは一気に使いやすくなり、除外ゾーンから帰還できるラヴァルにレベル制限はないのでシンクロラヴァルらを帰還させることができれば召喚だけでいいアドバンテージを稼いでくれる。ラヴァルデッキのキーカードの1枚になりそうなのだが、序盤では効果が活かせず腐る可能性もあることには注意したい。
●ヴァイロン・スフィア
ここから、レベル1から4までのヴァイロンチューナー軍団。共通効果として、墓地へ送られた時に自分の場のモンスターにくっついて何らかの効果を与える、というものがある。くっつけるモンスターにヴァイロンやシンクロモンスターなどといった縛りはないので、ある程度汎用性のあるチューナーとして見ることも可能。
こいつの効果は、要は自身を装備カードと取り替える=墓地へ送られた場合装備カードを1枚自分の場のモンスターに装備する、といった解釈で運用できる。ある程度装備カードが重要になるデッキでしか使いにくいので、いかんせん地味か。ちなみにガスタに力を与えたようだ。
●ヴァイロン・テトラ
レベル2チューナー、「テトラ」はシンプルな破壊耐性の付与。なかなか汎用性が高く、チューナーのレベルとしても使いやすいレベル2。「リミット・リバース」等、色々と対応するサポートも多く、光属性や機械族のチューナーとして見ても優秀な部類だろう。他のヴァイロンチューナーにも言えることだが、ヴァイロンで運用する場合は効果もそうだが、主に呼び出していきたいシンクロモンスターの選択、それによるレベル調整などをしっかり決めて、必要に応じたレベルのチューナーを見極めていくようにしよう。ちなみにリチュアに力を与えたようだが、リチュアとかラヴァルって共同戦線無視してへっへっへこいつはすごい力だぜ、って好き勝手暴れそうだよね。
●ヴァイロン・ステラ
レベル3のヴァイロンチューナーには「ヴァイロン・キューブ」がおり、ヴァイロンデッキとしては堅実にアドバンテージが稼げるあちらのほうが使いやすいか。違いとしてはこちらは天使族であり、リクルーターの「コーリング・ノヴァ」に対応している、という差はある。天使族チューナーとして見ても、そもそも天使族はあんまりシンクロ召喚に頼らない種族だったりする。弱いカードではないのだが。力を与えているのはラヴァル。
●ヴァイロン・プリズム
レベル4のヴァイロンチューナー。何気に雷族レベル4チューナーということで、エレキシンクロにこそ使えないものの雷族にはちょっとした朗報。効果のほうも、実質攻撃力1000アップと汎用性もなかなかのもの。光属性・レベル4でリクルーター対応のチューナーとしても、「魔轟神獣ルビィラーダ」よりは使いやすいだろうし。ジェムナイトに力を与えた。
●ヴァイロン・ハプト
今弾で増えた、各種ヴァイロンチューナーを使う専用カード。自身と特殊召喚したチューナー、あるいはさらに装備元のモンスターも含めて、さらなるシンクロ召喚に繋ぐのが主目的の効果だろう。わざわざ必要とする効果なのかどうかはぴんとこないものがるが、ステータスは下級ヴァイロンの中では最高打点。ヴァイロンの非チューナー下級モンスターはいまいち質の良いものが少ないため、ステータスだけでも採用候補になるか。
●リチュア・キラー
リチュアの召喚時効果を再利用するためのカードだが、このカードにも、使いまわしたいリチュアにも、召喚権が必要となること、ステータスが低いこと、単純に使うだけではディスアドバンテージであることなど、使い難い要素が多い。
●リチュア・ノエリア
「リチュア・チェイン」に使い方は似ているか。リチュアであること、必要なカードは墓地に送ってしまわないこと、即効性、除去能力などを考慮し、どちらかというと「ライコウ」とどちらを取るか、といったところか。
●ガスタ・スクイレル
効果破壊にしか対応しないリクルーターは総じて普通に使う分には使い難い印象。リミット・リバースからの自壊などを絡めるなりの工夫が必要。リクルート先はレベル5以下のガスタと、ガスタデッキでは優秀な範囲。レベル2下級チューナーとしては守備力も比較的高い。何気にレベル2チューナーはガスタではこいつだけ。・・・やっぱり、ガスタの回り方はいまいちわからないので何ともコメントしにくい。
●ガスタの疾風 リーズ
手札をぷち強い「強制転移」に変える、ということ。リクルーター満載のガスタデッキとは非常に相性の良い強制転移だが、上級モンスターであることとステータスの低さ、また効果を使うには横に別のガスタ、できればリクルーターを並べておかないといけないことなど、単体運用は難しい。やっぱり上級ガスタをリクルート可能な「ガスタ・サンボルト」や「ガスタ・スクイレル」から繋げたいところ。最悪自身を相手のより強いモンスターと交換することもできるのだが・・・。
●インヴェルズ万能態
インヴェルズ専用のダブルコストモンスター。最上級インヴェルズを投入していくならば是非とも使い回していきたいところなのだが、蘇生カードのリミット・リバースや「エンジェル・リフト」は「黄泉ガエル」の役割を持つ「インヴェルズの斥候」との相性が悪い。どちらかに方向性を縛っていくか、フィールドに残らないタイプの蘇生カードや「ヘルウェイ・パトロール」などでうまく回していくのが理想か。
●インヴェルズの歩哨
擬似「超古代生物の墓場」になるが、攻撃は止めれないし、インヴェルズでこいつを守り続けるのもまた難しい話だろう。ピンポイントで刺さることもあるかもしれないが、使い勝手はいまいちだろうか。
●インヴェルズの先鋭
インヴェルズに限らずとも、単体で強力な下級モンスター。1850と充分アタッカーを担える攻撃力と、墓地に送られるだけでタイミングも逃さず、強力なモンスターを除去できるのは優秀。「悪夢再び」で使い回せることも考えると、スタンダードデッキにも入る良カードだろう。
●インヴェルズ・ホーン
攻撃力は充分、効果も弱くはない最上級モンスターだが、確かにアドバンテージをとっていくだけならば1体リリースから堅実な働きをする「ギラファ」等に若干役割を奪われがちか。2体リリースのインヴェルズを使っていく形ならば、使いやすい最上級・・・になるのかな? リリースに必要なモンスターの片方がインヴェルズであれば良い、というのは覚えておくポイントだろう。
●インヴェルズ・グレズ
3体の生贄が必要、と非常に重く、同じ3体リリースの邪神などと違ってリリースにインヴェルズを指定しているためトークン等も使えない。効果も、ライフの半分と非常に大きなコストが必要で、それでやっと「裁きの龍」。裁きの龍の効果が弱いはずはないのだが、それでも手間暇に見合っているかと言われるとちょっと怪しいところ。あふれでるラスボス臭は非常に使ってみたいと思わせるんだけどね・・・。
●イビリチュア・テトラオーグル
どうしたリチュア、何だこの効果は。攻撃力が100勝ってるというだけじゃ同じレベル6儀式リチュアという土台の上じゃ、使い勝手の良い「マインドオーガス」の牙城は崩せないぞ。
●ジェムナイト・マディラ
よくあるアンティーク・ギア系の効果だが、なんとモンスター効果までも封殺するため、「クリッター」や各種リクルーター、リバースモンスター、はては「オネスト」なども効かない。また、この効果、実は殴る時だけじゃなく殴られる時も発動するため、効果だけを見れば非常に使い勝手の良い鬱陶しい仕上がり。攻撃力はもう少し欲しかったものの、効果を考慮すれば丁度いいところか。融合素材は基本的には「ガネット」を使うだろうから、融合時は「ルビーズ」との二択を選べるようになる。デッキを組み変える必要なく、戦術に幅が出るのは融合デッキの良いところだ。
●ジェムナイト・プリズムオーラ
ジェムナイト待望の除去効果持ちで、ステータスも2400を越えているのはまぁまぁ及第点。融合素材は主に「ルマリン」で、こちらは「パーズ」との二択。汎用性はこちらのほうが上だろうが、パーズは爆発力に優れ、引導火力に化ける事も多々あるので、こちらも充分使い分けが可能だろう。捨てるカードはモンスターでなくてもいいので、墓地に「ジェムナイト・フュージョン」から実質ノーコストで除去が打てたりする。表側しか破壊できないという事だけが残念か。雷族との融合ということで、「ライオウ」なんかを積めたりする・・・かなー?
●ラヴァル・ステライド
ラヴァルのシンクロは何故またシンクロ召喚時にデメリットをつけたか。「ラヴァル・グレイター」もそうだが、弱くないにしても召喚時のデメリットに見合うほどのものでもない。グレイター共々、「シンクロ素材に使った時、シンクロ召喚時効果を無効にする代わりに何かしらのメリットを付与する」ような効果を持ったチューナーなどが登場したら化けるかもしれないのだが。
●ヴァイロン・アルファ
チューナーがヴァイロンであれば、2体でシンクロ召喚可能なシンクロモンスター。「サイバー・ドラゴン」+「ヴァイロン・プリズム」などでさくっと出てくる。効果はシンプルで、とりあえず墓地の装備カードを1枚装備して出てくるというもの。ちょっとした破壊耐性もあり、勿論装備カードを軸とした前提ではあるが、ヴァイロンデッキ的には使いにくくはない。キーカードを装備カードとして狙っていくのもアリだが、個人的には切り込み役的にぽんぽん出していければいいかなーと思うタイプのカードだなぁ。
●ヴァイロン・オメガ
ヴァイロンのボス的存在。敵対するインヴェルズのボス、「グレズ」と同じ攻撃力に加え、アドバンス召喚がメインのインヴェルズを滅殺するような効果を持っている。しかしA・O・Jなんかと違うところは、ちゃんとそれはそれとしてメイン効果を持っているところ。基本的には回数制限こそあるもののノーコストになった「死霊騎士デスカリバー・ナイト」なイメージ。装備カード化するヴァイロンチューナーや、各種装備カードを使うことで使い切りじゃなく何度も使うこともできる。魔法・罠耐性こそないものの、ステータス・効果はボスとしては上出来な部類だろう。シンクロ召喚にはダブルチューニングが必要だが、非チューナーのほうがヴァイロンに縛っているのでなかなか難しい。ヴァイロンデッキで普通に出そうとするなら2+4+4、もしくは3+3+4か?
●ダイガスタ・スフィアード
シンクロガスタは全部乗っただけ合体ではなかったのか・・・またあざといな相変わらずガスタの方向性!
シンクロ召喚の難易度は高くはなく、リクルーター豊富なガスタデッキならばある程度自由にシンクロ可能だろう。メイン効果は戦闘破壊耐性+ガスタ全てを「アマゾネスの剣士」に変えるもの。「ナチュル・モスキート」なんかもそうだったが、このタイプの効果はしっかりそれを戦術の主軸にデッキを組めるので、低攻撃力リクルーターだらけのガスタデッキとの相性はこれ以上ない。ついでにオマケみたいにシンクロ召喚成功時に墓地のガスタ回収で、とりあえずアドバンテージを取り返してくれるのは嬉しい。ガスタデッキの使い手のことを考えてくれてるみたいな好感の持てる効果。なんとなく、ガスタデッキの方向性を示せそうな1枚だろう。
●ヴァイロン・コンポーネント
「ヴァイロン・マテリアル」よろしく、墓地に落ちると次のヴァイロン装備カードが来る。貫通と攻撃力アップでは、どちらかといえば攻撃力アップのマテリアル優先だろうが、貫通はオマケと見て4枚目以降のヴァイロン・マテリアルか。「ヴァイロン・マター」という使いやすい魔法カードも登場しており、そちらもサーチ可能。ヴァイロン・マターを使うならばこの手の装備は多いほうがいいので、無駄にはさせ難いはず。「ヴァイロン・エレメント」もサーチ可能。
●ヴァイロン・エレメント
ヴァイロン装備魔法を使わずとも、装備化したチューナーヴァイロンからも効果が発動可能。ちょっと回りくどいが、「大樹海」とか「機甲部隊の最前線」的な動きをするわけだ・・・と思ったら一時期の大樹海と同じでダメステ発動駄目なのか・・・。つまりは戦闘破壊から装備化したチューナーヴァイロンが墓地に落ちた時は駄目なのか・・・うーん、一気に微妙臭。大樹海のように、いつか裁定が変わることを望みたいところ。どうでもいいのだけど、個人的には、似たような装備カード、類似タイプのネーミングってことで「ヴァイロン・コンポーネント」とカード名が逆だったほうがしっくりくる。
●リチュアに伝わりし禁断の秘術
リチュア儀式魔法の2枚目。これでリチュアは儀式魔法6枚体制が可能、なだけじゃなく、何より魅力的なのは相手フィールド上のモンスターも儀式の生贄に捧げる事ができる点だろう。しかし、デメリットも多く、やっぱりレベルを同じにしなくてはならないことと、手札から生贄を抽出できないこと。つまり、相手のレベルが合わなかった場合のレベルの微調整は、手札ではなくフィールド上から強要されるのだ。攻撃力が半分になる、というのは守備力も比較的高く効果だけでも優秀なイビリチュアならば許容範囲としても、バトルフェイズを行えない、までついてる徹底ぶり。ちょいとデメリットの方が大きい感。非常に面白いと思うんだけどなあ。
●輝石融合
ついに登場した、HEROのお株を奪う罠融合。さらに特にデメリットもなく、手札からもちゃんと融合できる・・・というだけで強く見えるのだが、別にわざわざ相手ターンで融合したいタイミングってそんなにあるかなあ、という疑問。「アブソルート・ZERO」みたいな奴がいるなら兎も角、「ジェムナイト・アクアマリナ」だけじゃあちょっとパンチが弱いかなー。なんとなく強そうな気はしてしまうカードなんだけど、必要かどうかはちゃんと見極めるべき。
●侵略の波紋
レベル4以下限定ではあるけど、フリーチェーンの完全蘇生。500ライフというコストも、インヴェルズにしては軽い。狙っていくならば「万能態」からの最上級召喚補助、「先鋭」からの除去、あとは積んでいるなら相手の蘇生などにチェーンして「歩哨」で特殊召喚時効果を邪魔する・・・ってところか。インヴェルズはいずれ組んでみたいとは思うのだが、必要かどうか、その枚数は、ちと未知数。悪くないカードだとは思う。
●侵略の手段
要はオマケ付き「おろかな埋葬」。墓地に送りたいモンスターは多いインヴェルズだが、ライバルはおろかな埋葬や「終末の騎士」、「ダーク・グレファー」。さっさと落としたいモンスターはある程度決まっているので、罠では少し遅い。また、墓地肥やしはダメージステップ中に発動したり、といったコンバットトリック的な役割とは繋がりが全くないので、タイミングをある程度選びたいコンバットトリック効果との相性はむしろ良くはないと言える。状況に応じてどちらの効果も使える、という見方をするのが一番良いか。既に墓地に落としたいモンスターが存在する場合、おろかな埋葬等と違って腐り難いのは利点。だが、状況に応じて悪夢再びで墓地を回収できるインヴェルズでは中盤以降でもそちらの効果も腐り難いか。うまくいいとこ取りできる使い方できれば。