むしろこっちのほうが個人的には面白そうなカードが多いと思っていた、ターミナル新弾、「インヴェルズの侵略!!」。
前回、地、炎、光にそれぞれジェムナイト、ラヴァル、ヴァイロンというテーマが登場し、今回も続投か、と思いきや、今回は残りの闇、水、風の3属性分のテーマ(と、再録カード)のみで構成されている。
前回と今回で6テーマそれぞれの基盤をつくっておいて、次回からカードを追加していく感じにしたのだろうか。しかし、基盤がしっかりしているテーマと全然できてないテーマの差が激しすぎる気がするのだが・・・。
●リチュア・アビス
リチュアは儀式テーマ。ステータスは低いが、召喚・反転召喚・特殊召喚すべてに対応しているのは嬉しい。「シャドウ・リチュア」をサーチすれば実質儀式魔法のサーチ、メインとなるサーチ先はこれか。儀式魔法に合わせてレベル4、レベル2それぞれのレベルのモンスターをサーチすれば・・・ってこれもシャドウ・リチュア一枚でいいのか・・・。
●リチュア・ヴァニティ
リチュアの誇るイケメン。儀式召喚前に使っておくことで、「神の宣告」や「奈落の落とし穴」、「激流葬」を防ぐことができる。余裕があればってところで、必須カードにはならないか、とは思うのだが、「サルベージ」や各種リチュアサーチに対応ってことを考えると、ピン積みも悪くないかも。
●リチュア・マーカー
こいつも特殊召喚にも対応してる。ちょっと動くだけなら全然アドバンテージを減らさずに動かせるのはリチュアの凄いところだなぁ。墓地回収だが儀式魔法でも儀式モンスターでもOKなのも好印象。とりあえず準アタッカークラスの攻撃力もあるが、これはリクルーターやサルベージに対応していないのがちょっと残念な部分でもある。
●リチュア・チェイン
召喚するだけでアドバンテージが取れるかもしれないが、不確定。どちらかというと1800アタッカーとして見るべきだろうか。
●リチュア・エリアル
リバース効果だが、これもサーチ内臓。どんだけリチュアはアド稼ぎ要員だらけやねん。タイムラグはあるものの、守備力は充分な数字で、「リチュア・アビス」と違いリチュアならどんなモンスターでもサーチ可能。同名カードや儀式リチュアもサーチできるのは覚えておくべきところだろう。
●シャドウ・リチュア
手札から捨てて「リチュアの儀水鏡」をサーチ可能。さらに、このカード1枚でリチュアの儀式モンスターを儀式召喚できる。リチュアの中でも最も重要なポジションだろう。効果的にも、まさに融合デッキの「沼地の魔神王」ポジションである。サーチもサルベージもしやすい最高のステータスも合わせて、「昇華する魂」の合わせ業も狙ってみてもいいレベル。
●ガスタ・ガルド
ガスタは、ラヴァルとかレアル・ジェネクスとか、その辺りを彷彿とさせる墓地利用と一方通行なサーチ・リクルート効果を持つものが多いが、いまいち統一性に欠ける。レベル2以下なので自身をリクルートすることができないが、効果破壊に対応してるだけでリクルーターとしては優秀な部類だろうか。まぁ、チューナーだしね。
●ガスタ・イグル
ガスタのチューナーは全て鳥獣族のようだ。こちらは戦闘破壊された場合にレベル4以下と割と普通のリクルーターだが、チューナー以外のモンスターという縛りからやっぱり自身は無理。とはいえ、チューナーということも含めてガスタデッキではとりあえず3枚、かなぁ。
●ガスタ・サンボルト
ガスタ唯一の雷族。鳥獣・雷と種族がいまいち噛み合わなくて風属性・・・どこかで見たようなテーマ・・・いや、気のせいだ。
これもリクルーター。ガスタはリクルーターだらけなのが特徴のテーマのようだ。バトルフェイズ終了時というのはタイムラグがあるが、それよりリクルート先の中途半端な縛りのほうが問題。サイキック族と指定されているのに呼べる面子を見ると別に既存サイキック族が恩恵を受けれそうなイメージはない。上級の「ウィンダール」か、ガスタでも運用できそうな「ジェネティック・ウーマン」をガスタデッキに投入する場合、リクルート先になるだろうか。
バトルフェイズ終了時リクルートというのは相手に追撃で破壊されにくい、と捉えることもできるだろうか。
●ガスタの巫女 ウィンダ
「リチュア・エリアル」といい、霊使いのリメイクであるのは確からしい。効果的に統一はされていないが、他の四属性テーマにも登場するのだろうか。
そしてガスタ、まさかのサイキック族。既存のサイキック族に投入できそうなものこそ少ないが、ちょっと新鮮。
ちなみにこれもリクルーター、チューナーを呼べるので効果としては「ガスタ・イグル」と対になっているか。
●ガスタの静寂 カーム
ガスタはアイドルが多めのテーマだなぁ。サイキック族なので「メンタルマスター」、「脳開発研究所」を絡めるとえらいドローできるみたいだけど、それだけでサイキック族に・・・あれ、投入できるかも。ガスタのリクルーターを使わなくても、「パンダボーグ」に対応してるし。
●ガスタの賢者 ウィンダール
効果だけを見ると、強くはない。上級で2000、戦闘破壊することで蘇生。よくあるタイプのあまり使われない効果・ステータスなのだ。リクルートが得意なガスタだが、このカードをリクルートできるのはタイムラグのある「ガスタ・サンボルト」だけ。とはいえ、リクルーターを駆使すれば展開までは簡単だろう。蘇生したガスタは大抵リクルーターなので壁にはなるが、壁にしかならないのでやはりチューナーからシンクロを仕掛けるのがメインだろう。「イグル」からは「ダイガスタ・イグルス」にうまい事繋がるし、「ガルド」からは「ハイパーサイコガンナー」が繋がる。この辺、結構よくできてる。
●インヴェルズの魔細胞
インヴェルズはアドバンス召喚が特徴のテーマ。だが、インヴェルズをリリースした場合のみだとかこのカードはインヴェルズをアドバンス召喚する場合しかリリースできないとか、縛りを設けているために「黄泉ガエル」などの既存アドバンス召喚サポートはほとんど使えない。逆に個人的には好印象なのだが。何より昆虫族って期待したのにこいつら全員悪魔かよ。
下級インヴェルズはリリース確保関連の効果を持ったものばかりで、このカードはいわゆる「デビルズ・サンクチュアリ」的なポジション。すぐにインヴェルズを展開できるし、「悪夢再び」に対応しているのは小さくない利点。アリだと思う。
●インヴェルズの斥候
これがインヴェルズの黄泉ガエルポジション。スタンバイフェイズではなくメインフェイズ開始時なので「王宮の弾圧」や「光と闇の竜」などに強かった黄泉ガエルの利点は調整されているし、特殊召喚不可のデメリットもついている。が、黄泉ガエルを使えないインヴェルズではやはり必須カードとなりそうだ。
●インヴェルズの門番
インヴェルズで唯一悪夢再びに対応していないが、下級インヴェルズでは壁になるステータスはしている。悪夢再びを活かせば手札補充は可能なインヴェルズに爆発力を生んでくれるが、「血の代償」で良いといえば良い、というのはこの手のカードにまとわりつく問題なので、インヴェルズであることを活かせるかどうかなど、構築と相談しよう。単純にそこそこなステータスのインヴェルズ下級として見るのが無難かもしれない。
●インヴェルズを呼ぶ者
リリース要員にすれば追加でインヴェルズが一体。墓地に落としておきたい「斥候」、追加アドバンス召喚の「門番」か。とりあえず下級アタッカーにもなるので、下級不足に困りそうなインヴェルズではアタッカーとしての採用が見込まれる。
●インヴェルズ・マディス
ここから上級インヴェルズ。正直、どれもこれもしっかり強い。マディスは2200とややおとなしめの攻撃力だが、1000ライフを払えば墓地のほかのインヴェルズが蘇生される。アドバンス召喚されていないインヴェルズはどれもバニラ同然だが、それでも2500前後の攻撃力をしたものは多いので打点としては充分。序盤に引いてもいまいち役に立たないこと、悪夢再びとの兼ね合い、それにインヴェルズの斥候の特殊召喚封じとの兼ね合いにも注意して運用したい。
●インヴェルズ・モース
2400は1体リリースとしては充分な帝と同じ数値。これも1000ライフが必要なものの、表示形式やモンスター・魔法・罠を問わず2枚「まで」のバウンスは強力。自分フィールド上のカードは戻せないけどね。破壊ではなくバウンスなので、劣勢からの切り返し、決めの一撃に向いたインヴェルズだろう。
●インヴェルズ・ギラファ
最上級だが、インヴェルズデッキでは上級感覚。1体生贄、相手フィールド上カード1枚を墓地へ送ってついでに1000回復。破壊ではなく墓地送りでこれもモンスター・魔法・罠どれでもOK、表示形式も問わない。ライフを払って発動する効果も多いインヴェルズなので1000回復も馬鹿にできない。場面を選ばず使いやすいので、インヴェルズ上級の中でもまずは優先すべき順位が高い一枚だろう。
●インヴェルズ・ガザス
「ガザス」は2体生贄を必要とするので他のインヴェルズに比べると使いにくい。インヴェルズを並べるにも斥候は特殊召喚を封じてしまうのが厄介。並べるならば斥候もしくは魔細胞、門番、門番の効果でガザスを追加召喚、が綺麗な流れか。効果は「ブラック・ホール」or「大嵐」と大きいが、この手の効果は狙いにいきたいタイミングと狙いたいタイミングが噛み合わないことが多そうなもの。悪夢再び、「トレード・イン」で回すにもレベル8インヴェルズはまだこのカードだけだしなぁ。
●イビリチュア・マインドオーガス
リチュアの儀式モンスターはイビリチュアに進化するらしい。ちなみにこのカードのイラストはかなり格好良くて私好みだったりする。何かエリアルちゃんが乗ってる。
儀式召喚成功時、5枚になった「転生の予言」。自分のサルベージをこれで使い回すのも良し、相手の墓地アドバンテージを根こそぎ奪うもよし。デッキに戻す、は下手すると除外よりも痛いだろうし、あらかじめ「リチュア・ヴァニティ」の効果を発動しておけばこの墓地攻撃は防がれることもない。残ったこのカードはバニラだが、充分仕事はしただろうし2500と攻撃力も低くはない。「儀式の準備」にも対応しているが、そこまでしなくてもリチュアならばサーチには困らないだろう。レベルは丁度でなければならないため、儀式召喚の際にはレベル4+2のリチュアか、シャドウ・リチュアで。
●イビリチュア・ソウルオーガ
嫌がらせが「マインドオーガス」なら攻め役はこちら、「ソウルオーガ」。手札使いの荒い儀式デッキだが、サルベージに加え各種サーチ、回収に秀でたリチュアデッキならばコストを抽出するのは難しくないはず。流石に表側表示カードしか狙えないものの、デッキバウンスは非常に強力。破壊ではなくバウンスでもないので、シンクロモンスターなどのボスではなく下級モンスターあたりにもかなり効く。ステータスも文句なし。これもレベルを丁度に合わせる必要こそあるけど、やっぱりシャドウ・リチュアが使いやすい。
●ダイガスタ・ガルドス
ガスタはシンクロモンスターになるとダイガスタになるらしい。「ウィンダ」が「ガルド」の進化系っぽいものに乗っている。
ガスタも墓地利用が多く、リクルーターが多いためにデッキに戻すというのは噛み合いが悪くはないのだが、リクルーター以外で墓地を肥やす手段が少ないのはどうなんだろう。実際ガスタを触ってみないとわからないところか。少なくとも、シンクロ素材にしたガスタ2体で効果は発動できそうだし、ステータス的にも何度も使えそうな効果ではない。無難なノーコストモンスター除去なので、使いやすい部類だろう。
●ダイガスタ・イグルス
レベル7シンクロモンスターとしてはステータスは悪くないし、墓地のガスタ除外もまぁ良いのだが、効果発動がエンドフェイズごと、さらに狙えるカードが裏側表示カードのみというのはちょっと使いにくいところ。モンスターが場持ちするうえに次々と入れ替えることもできるガスタデッキならば、狙ってシンクロ召喚する難易度自体は高くないので、効果を活かす構築にするのもアリ、とりあえずアタッカーとしてがんがんシンクロしていくのもアリだろう。効果だけ見るとぱっとしないけど、ガスタは案外悪くない気がしてきた。リチュア・インヴェルズに比べるとどうしても見劣りしそうだけどね。
●リチュアの儀水鏡
儀式カードの中では効果が秀逸で、墓地のこのカードをデッキに戻して儀式モンスターを手札に回収ってどっちも一度に使い回すのは凄い。墓地の儀式魔法を回収できるリチュアもいるにはいるけど、リチュアならデッキの儀式魔法のほうがサーチしやすい。儀式の準備とは噛み合わないが、儀式魔法の中でも使いやすさは抜群。
●ガスタの交信
シンプルな除去カード。さっきも言ったとおり、ガスタ2枚をデッキに戻すっていうのはガスタの性質と噛み合ってて有難いのだが、ガスタがどれだけ墓地肥やしができるのか、そこが問題。
●侵略の一手
アドバンス召喚に成功したインヴェルズはもう使い捨てなので、リリースではなく手札に戻す、であるのは嬉しい。1枚ドローは少し物足りないかもしれないが、まぁ除去にチェーンするなりでフォロー。
●儀水鏡の瞑想術
罠カードなのでタイムラグこそあるものの、ノーコストでリチュア2枚をサルベージ可能。実質リチュアデッキはサルベージ6枚体制ということになる。儀式魔法が手札にないと駄目だが、そこはシャドウ・リチュアや「リチュア・マーカー」から簡単に拾ってこれるし、そのシャドウ・リチュアらにしてもサーチ・サルベージが簡単なので条件を満たすのは容易い。リチュア、隙ないなぁ。
●ガスタへの祈り
これもガスタ2体をデッキに戻して蘇生。蘇生したいのはやはりシンクロモンスターのダイガスタ2種だが、どちらも墓地を使うので、蘇生と合わせてたんまり墓地を使うことになる。うーん、やっぱりガスタの墓地肥やし具合次第か。
●侵略の波動
「侵略の一手」がドローなら、こちらは除去。使い方はほぼ侵略の一手と同じだろう。ドローも除去も無難に使いやすいはずだが、一応上級モンスターを手札に戻す必要があるのは確かなので、積み過ぎると事故るのは確か。バランス注意。
個人的に見た感じ、現時点でのテーマとしての完成度は、
リチュア>インヴェルズ≧ジェムナイト>ラヴァル≧ガスタ>ヴァイロン
こんな感じ。正直、ガスタの位置がわかりづらい。個人的に最も興味があるのがやっぱりインヴェルズだろうか。虫じゃなくてもテーマが虫だし、いいかなーって。
お金がなくて組めないけどね!