色々な仕様やデュエルターミナルのストーリー、それに伴って収録されているテーマが一新されたターミナル新弾は「ヴァイロン降臨!!」。言ってしまえばデュエルターミナル2、ぐらいの勢いであるため、ワーム滅んだ後の魔轟神との戦争云々、というバックボーンも全て取っ払い、新たなカテゴリのみからの再出発となる。しかしそうなると、前ターミナルのストーリーは、封印を解いた「トリシューラ」の暴走による崩壊エンドってことでバッドエンドなのかしら。
カテゴリの数は少なく、ジェムナイト、ラヴァル、ヴァイロンの3つ。その分、今までに比べて1つのカテゴリに割くカード数が増えており、特にジェムナイトあたりは今弾のカードだけでもデッキとして形になりそうな雰囲気はしている。
個人的にはもっとカテゴリをばらつかせて貰ったほうが、広い範囲から興味を惹けるかな、と思うのだが。
●ジェムナイト・ガネット
ジェムナイトは古きよきE・HEROをバランス調整してみた、という風な香りのする、融合を特色としたテーマ。しかしその融合前のバニラモンスターはどれもステータスが高水準で腐り難い、というのは好評価。何気に炎族としては1900打点は貴重なのだが・・・属性が地属性だし、割とどうでもよかったりする。
●ジェムナイト・サフィア
こちらは守備力2100。ステータスは申し分なし。あとは基本的に融合先で採用されるかどうかが選ばれるところなのだが、現時点ではジェムナイトの融合モンスターは選択できるほど幅がないので、とりあえず全て採用候補。
●ジェムナイト・ルマリン
ステータスは低くはないのだが、しかし守備力の方が高くてこれは絶妙に微妙。とはいえ、やはりこれも現時点では全然アリなのだ。だが、融合後の姿を見ても、もっとジェムナイトの種類が増えてきたら優先度が下がりそうな気配はする一枚ではある。
●ジェムナイト・アレキサンド
単体でも1800の性能も悪くないながら、次のターンに生き残ってたらもう一度効果を使う、ということこそできないものの、いわゆる「E・HERO プリズマー」と同じような運用がでる。状況に応じた好きなジェムナイトの融合素材を持ってくることもできるし、「ガネット」、「サフィア」はこのカードよりもステータスは高いし。今後もジェムナイトの融合素材として新たなバニラジェムナイトが増えると言うのを前提にして、だが、ジェムナイトデッキでは必須カード。
●ジェムレシス
ジェムナイトデッキの必須カード候補2枚目。どちらかというと「アレキサンド」よりも将来的にはこっちのほうが大事になる可能性が高いっぽい気がする効果。融合のことだけを考えるなら「アレキサンド」サーチ一択かもしれないが、召喚権などとの兼ね合いから状況に応じたカードを選ぶべし。いわゆる「エアーマン」ポジションにして、同名カードのサーチをちゃんと防いでいる、良調整カード。
●ジェム・マーチャント
「オネスト」「カルート」系のカードだが、対象範囲は広そうで狭い。ジェムナイトデッキ以外でも採用可能な効果なのだが、まずはジェムナイトデッキではどれぐらい融合素材のバニラでの戦闘を行うか、だろう。融合デッキは基本的にはまずは融合することから始まるので、融合素材で戦線維持しなくてはならない状況向けのこのカードはどっちかというと「事故回避のための事故要員」になってしまう恐れがある。が、しかしジェムナイトのバニラのスペックを見るに、ジェムナイトデッキが融合できない場合でも力負けしにくい、をひとつの特徴にしているのも事実。使ってみないと何とも言えないが、いずれ必要なくなるような気がする。これから先の登場でジェムナイトのバニラの比率が増すにつれ、逆の可能性もまた然り、だが。
あとは地属性バニラを多く積むデッキ。凡骨ターボなどのギミックでは逆に邪魔になりそうだし、地属性バニラもいるけど、ぐらいのデッキでは使いにくそうだし。どんなデッキで使えるだろうか。
●ラヴァルの炎車回し
ラヴァルの特徴は墓地を使うことだが、これが非常に噛み合ってそうで噛み合ってなく見えて使いにくそう。墓地を除外したり墓地のラヴァルの数を参照したり、と同じ墓地を使うにしてもどれに使うかひとつに絞らないと相性の悪い効果が多く見えるのだ。何にしろ、ラヴァルは墓地が大事ということで、墓地にラヴァルを送れるこのカードは非常に大事。ただ、単体の効果で見た時に墓地に落として有益なラヴァルが全然いないのも残念なポイント。ラヴァル渋すぎる。
●紅蓮地帯を飛ぶ鷹
ラヴァルはカード名にラヴァルと付かないものも多い。これもそんなうちの一枚で、しかし勿論カテゴリ的にはラヴァルなのでラヴァルをサポートしている。これは墓地のラヴァルの種類を参照するカードだが、チューナーとしての性能は凄そうに見えてよくよく考えるとそんなに凄くない。鳥獣族チューナーとしては初のレベル1チューナー(「ヴァーユ」を除く)だが、残念なのは鳥獣族のシンクロモンスターが全てチューナーをBFで縛っていること。どちらかというと、鳥獣族シンクロにうまいこと噛み合いやすいレベルのモンスターが登場した時・・・だろうか?
●ラヴァル・ウォリアー
こいつは4種類のラヴァルを求めているが、シンクロモンスターや最上級の「ラヴァルロード・ジャッジメント」などを含めないと、現時点ではラヴァルの種類を稼ぐのは難しいかも。ただまぁ、ラヴァルはこれからも増えてくるだろうし、1800アタッカーとして、とりあえずラヴァルのアタッカー候補。
●炎熱刀プロミネンス
「ラヴァル・ウォリアー」と同じくラヴァルデッキのアタッカーなのだが、墓地のラヴァルを除外するのはラヴァルデッキにとっては厳しい。そのうえこのカードはラヴァルではないので、破壊されても墓地のラヴァルの数は増えない。効果だけを見れば使いにくい部類ではないのだが、ラヴァルとの噛み合いは正直悪い。アタッカーならラヴァル・ウォリアーを、というか、これから先の新カードに期待なのだが、ラヴァルデッキにはよっぽどの効果じゃない限り、ラヴァルと名の付かないラヴァルサポートは減らしたほうが回りが安定しそうな気がする。
●ラヴァル炎樹海の妖女
「鷹」はラヴァルと名の付いたカードではないので、一応ラヴァルの中では実質唯一のチューナー。効果はシンクロ素材に使った時のオマケ、ぐらいで。ラヴァルでシンクロを狙っていくにはまだ少し駒が足りない気がするのだが、とりあえずラヴァルの数増し+チューナーということで、その通りの働きはしてくれるだろう。一応フレムベルの各種サポートに全て対応している。
●灼熱工の巨匠カエン
墓地のこのカードを除外して、だがこいつはラヴァルではないので気軽に発動できるし、無駄がない。「炎樹海の妖女」とシンクロして「ラヴァルバル・ドラゴン」をシンクロ召喚するには丁度良いレベル。こいつは墓地に送って意味があるのに「炎車回し」では落とせない、ラヴァルじゃないから。むきー、噛み合わない。一応「フレムベル・ヘルドッグ」なんかには対応してたり。
●ラヴァルバーナー
現時点ではラヴァルで統一する、ラヴァルをデッキに多く投入する最も一番の理由になりそうなのはこのカード。要は条件違いの「サイバー・ドラゴン」だが、墓地に3種類のラヴァルはデッキに普通に投入できそうなウォリアー、炎車回し、妖女でうまく3種類。炎車回しを使えばすぐに種類数は稼げる。あとはこいつの利用先として、良いレベルのシンクロモンスターか、一気に攻めるために相手フィールドを一斉除去できるようなカードが欲しいところ。「エンシェント・ゴッド・フレムベル」活躍の予感。
●ラヴァルロード・ジャッジメント
効果もステータスも、見ただけでは必要ない。なんでこいつだけひとりまだフレムベル抜け切れてません、みたいな感じやねん。この先ラヴァルが増えてくるとお払い箱になりそうだが、まだカードが揃っていない現状では、炎車回しから落としてラヴァルの種類数を稼ぐ要員として1枚だけ刺しておくのは無しではないかも。
●ヴァイロン・キューブ
機械天使なヴァイロンは装備カードであれこれするのが特徴。現時点では唯一のチューナーにして唯一の機械族。属性、種族、レベル、ステータスはどれもチューナーとしては優秀なので、ヴァイロンで使う以外での使い道も探せば見つかりそうな気はするが・・・。装備魔法を使うデッキ、と見て組み込むのは・・・何かあるかなぁ。
●ヴァイロン・ヴァンガード
低ステータスなので、装備魔法との組み合わせが前提となる。装備魔法自体を辞去されては意味がないので、このカードを除去しにきそうな装備との組み合わせで汎用性が高めなもの、となると「鎖付き爆弾」とかそういうのだろうか。他のヴァイロンとの兼ね合いにも寄るが。・・・しかし、ヴァイロンはまだ未知数過ぎるな。
●ヴァイロン・チャージャー
装備カードを装備すればするほど強くなる。なんとも旧時代的な効果をしているが、光属性の全体強化ならば他にも選択肢があるはある。今のところ、「ヴァイロンであること」に意味があるカードがほとんど無いと言っていい状況なので、これから先次第ではあるのか、だけど。
●ヴァイロン・ソルジャー
現時点のヴァイロンの中で、アタッカー候補なのがこれ。装備魔法を活かした効果も、悪い効果ではない。装備魔法は要るけど。攻撃は介するけど。直接アドバンテージには繋がらないけど。・・・今のところ、ヴァイロン駄目っぽい。
●ジェムナイト・ルビーズ
ジェムナイトの融合は全て、片方は指定されているがもう片方はジェムナイトならば何でも良い、といい感じのバランス。素材代用が利かず、専用の融合魔法もあることから、「沼地の魔神王」はどのくらい積むか難しいバランス。いっそなくてもいいのかも。
効果は、貫通のついた「ジ・アース」。貫通付与によってジ・アースの微妙っぽかった部分が改善されている。現時点では単純に融合ジェムナイトで素の攻撃力が一番高いこと、融合素材が1900アタッカーと使いやすいことから、しばらくはジェムナイトの融合モンスターの中でも「とりあえず」で出していけそうな気がする。地味に、「ジェムレシス」も攻撃力アップのためにリリース可能。
●ジェムナイト・アクアマリナ
守備重視の融合モンスターとなるとあんまり良いモンスターが思い浮かばないのだが、効果は使いやすそう。タイミングを逃さず発動する「強制脱出装置」めいた効果があるため、守備力と合わせて処理しづらいだろう。「アブソルートZero」とは違い、流石に墓地に送られる必要はあるものの、むしろこれが普通。このカードを使ってさらに融合、から効果を発動するのは勿論、蘇生から何度も効果を使うことも可能。個人的には今回の融合ジェムナイトの中で最も評価が高い。
●ジェムナイト・パーズ
2回攻撃できる「フレイム・ウィングマン」。2回攻撃に条件はなく、ダイレクトアタックになればそのまま3600のダメージを通せるため、奇襲性は高い。フレイム・ウィングマン効果も合わせて、相手のライフを削るのが得意なカードなのだが、1800の攻撃力とこの効果をジェムナイトデッキで活かそうと思うと・・・「月の書」「エネミーコントローラー」が一番腐りにくく、使いやすいかな? どっち道返しのターンは凌ぎにくそうなので、決めカードになりそうな予感。「アクアマリナ」を融合、「ジェムナイト・フュージョン」回収、アクアマリナを融合素材にしつつ「パーズ」を融合、殴る殴る・・・あたりが綺麗な流れ?
●ラヴァルバル・ドラゴン
やってる事は「ブリューナク」。墓地アドバンテージこそ失うものの、除外ではなくデッキに戻す、なので炎車回しなどからまだまだ取り返せる。現時点でのラヴァルの強みのひとつになりそうで、つまり「ラヴァルデッキではブリューナクが4体出てくる」ということ。しかもハンドアドバンテージを失わないのは強力。シンクロ素材は炎属性だが効果はラヴァル専用、はつまり、ラヴァルデッキにこのカードをシンクロしやすいチューナーを採用してみるのが一番使いやすいか。色々検討してみよう。
●ラヴァル・グレイター
なんで手札捨てるのん? いや、捨てるじゃなくて墓地へ送るだし。なお悪い。
効果耐性のためとはいえラヴァルは墓地除外したくないし、2400じゃ戦闘破壊も軽々だし。縛りもあればレベル6は有用なモンスターが多過ぎて、出番はかなり難しそう。
●ヴァイロン・シグマ
現時点でヴァイロンでシンクロしようとすると、レベル7のほうが出しやすいので主にシンクロ召喚されるのはこのカードとなる。素のステータスは低いものの、攻撃時にデッキから何か装備カードを装備できる。自分フィールド上にこのカードのみ、という条件が一番厳しいが、弱い効果ではない。構築し甲斐のある効果をしていると言える。が、ヴァイロンはまだちょっと手を出すには早いカテゴリだと思うんだ。同レベルの「パワー・ツール・ドラゴン」とはうまく使い分けたい。
●ヴァイロン・エプシロン
現時点ではヴァイロンだけではシンクロできないので、大人しくサイバー・ドラゴンとか「パーシアス」の力を借りよう。ステータスは及第点、装備カードを使って強化されることを考えればこんなもの。1ターンに1度、装備魔法を「ならず者傭兵部隊」に変えることはできるが・・・モンスターしか破壊できないうえに「スクラップ・ドラゴン」という上位互換めいた子が登場してしまっている。装備カードははがされにくいが、このカード自体は耐性が無い。このカードに耐性をつけれるような装備魔法って・・・あったかなぁ。
●ジェムナイト・フュージョン
非常に面白い融合魔法で、まずはジェムナイト専用の普通の「融合」。墓地に存在するこのカードは、墓地のジェムナイトを1枚除外することで改修が可能。融合に使ったジェムナイトは墓地にいってると思うので、素材が尽きない限り、何度も何度も融合することができる。融合したばかりのアクアマリナをさらに融合素材にして効果を発動させたりは勿論、「手札を1枚増やして、墓地の好きなジェムナイトを除外できる」ということはこのカードが墓地にあれば、「D・D・R」1枚で好きなジェムナイトを蘇生できる。HEROとの最大の違いとして、融合ジェムナイトも蘇生・帰還可能、という点を活かしていきたい。
●紅蓮の炎壁
任意の数のトークンを生成できる速攻魔法、トークンの使い道にも縛りなし、となるとこれは強力。だが、墓地アドバンテージは大きく失ってしまうし、ラヴァル的にはそれは痛い。しかし、鷹、「プロミネンス」、ジャッジメント、「グレイター」と比較すると、除外して効果を使う価値が最もありそうなのはコレ。勿論他のラヴァルの動きを阻害するほどに除外してしまうのは危険だが、シンクロ調整兼壁として、保険に何枚か仕込んでおくのはアリではないだろうか。
●ヴァイロン・マテリアル
破壊されてもアドバンテージを失わない装備魔法にして、現時点で唯一の「ヴァイロン」というカテゴリを繋ぐカード。単体での効果は地味で、現時点でヴァイロンと名の付く魔法カードはこれ一枚なので、完全に今後のヴァイロンの展開次第。ヴァイロンは装備魔法なんか使わないほうが強い、というようなことにでもならない限り、ヴァイロンデッキの必須カード・・・・・・候補の1枚。
●ジェム・エンハンス
イメージとしては「戦線復活の代償」、いや、罠カードや完全蘇生ということを見ると「地霊術-「鉄」」のほうが近いのか。実際、ジェムナイトは全て地属性なので、融合体のジェムナイトを蘇生しない限り地霊術-「鉄」のほうに分がある。しかし、融合体ジェムナイトを蘇生できるわけだから勿論話は違う。融合デッキはやはりがんがん融合していってナンボなので、投入し過ぎるのは流石に危険とはいえ、このカードが事故要因になるような構成というのはもっと融合できるように考えた方がいいレベルかも。ジェムナイト・フュージョンの除外コストとの兼ね合いにも注意。
●炎熱旋風壁
罠カードであること、ダメージステップ発動などは「強者の苦痛」等と比較しても充分このカードのみのメリットと捉えられる部分だとは思うのだが・・・どちらが欲しいかといわれるとやはりこのカードではないかも。とりあえず、カード名が幽遊白書の必殺技っぽい。
期待できるのはジェムナイト。期待したいのはラヴァル。期待でもさせてくれなきゃ話にならないのがヴァイロン。・・・現時点ではそんな印象。
ジェムナイトはデッキとしての基盤が既にがっちり固まっており、今後のサポートカードでそれをどこまで磨いていけるか。
ラヴァルは現時点では統一性の薄い効果が多いが、他カテゴリに比べて「ラヴァルである」ということが最も意味があるカテゴリなので、まずはラヴァルの種類が増える、それだけでも強くなるはず。少なくともまだ未来はありそう。嫌な予感は拭えないけど。
ヴァイロンはちょっと手が出にくいレベルです。「ヴァイロン・マテリアル」の存在から、まだヴァイロン専用装備カードが増えるのだろうが・・・装備カードよりもまずは最低限採用できるぐらいの使いやすさのヴァイロンを1枚、せめて2枚・・・。