地縛神Uruさえ本当に入るんだろうな、とかびくびくしていた昆虫族だが、次パックにルドガーさん使用枠で「スパイダー」シリーズのモンスター達がちゃんと収録されることが確定した。もう昆虫関連はUruだけしか入らないだろう、ぐらいは覚悟していたので、これは昆虫族デッキ使いのJellとしては歓喜の極み。
さらに、PSP版タッグフォース4の特典カードは昆虫族1体に昆虫族サポートカード。正直、一般デュエリストからすればがっかりもいいとこだろうけれど、たとえ誰得なんて言われても私はしっかり嬉しいのだ。
以前のCROSSROADS OF CHAOSの植物族大幅強化の時も先走ったが、今回も先走って新昆虫カード達の紹介と、使い方を今からもう考えてみたりしてみる。
しかし、7月に発売されるパックは私のためのパックみたいなのばっかりだな。
●ダーク・スパイダー ☆1 闇属性 昆虫族 0/0
1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在する昆虫族モンスター1体のレベルをエンドフェイズ時まで2つ上げる事ができる。
アニメ効果のままカード化されるならこの効果が正しいけれど、細部違うところはあるかもしれない。レベルを上げる効果を持ってるカテゴリなのにチューナーもシンクロも無しとはこれいかに。まあ、正確には「スパイダー」と名の付くカードカテゴリではないし、アニメの時点では特に効果に統一性もなかったから、仕方ないといえば仕方ないんだけど。
しかし効果対象にできるのは昆虫族だけだし、昆虫族でレベルを上げることによって発生する利点って・・・「孵化」ぐらいのものか? 他にこのカードが活かせそうなサポートでも出るのだろうか。一応、死デッキ対応。
●グランド・スパイダー ☆4 地属性 昆虫族 0/1500
このカードが自分フィールド上に表側守備表示で存在する場合に相手がモンスターの召喚・特殊召喚に成功した時、そのモンスターを守備表示にする事ができる。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
そのまんまでは微妙な子ではあるか。相手限定、1体だけの「つまずき」なので、つまずきとは違い自分には影響しないことを活かしてシナジーするギミックがないとただの小粒な時間稼ぎで終わってしまう。スパイダー達はどれも表側守備表示の相手をどうこうする効果を持っているので、相性は良いのだが・・・このカードをまず表側守備表示にする必要があるのが、どうしよう。共鳴虫から呼べるが、それだと共鳴虫を破壊したモンスターは確実に守備表示にできるタイミングを過ぎてるわけで。そうだ、このカードも守備にできて相手も守備にできる、つまずきを積めば・・・・・・アレ?
自分ターンにもこの効果が使えれば、召喚したこのカード自身を効果で守備表示にできたのに、惜しい。使い道、要模索。
●サクリファイス・スパイダー ☆2 地属性 昆虫族 300/500
自分の墓地に昆虫族モンスターが4体以上存在する場合このカードをリリースして発動する。相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスターを全て破壊する。
いや、別にその縛りが厳しいわけじゃないんだけれど、その程度の効果でわざわざ発動条件に縛りまで付けないでも・・・と、思ってしまう私がいる。タイミングが限られるとはいえ、裏守備も破壊対象になる「断頭台の惨劇」のほうが良いのではないか、と思ってしまったり。ステータスも低いし、自身のリリースまで必要だとなぁ。ちょっと難しい子。
●スパイダー・スパイダー ☆4 地属性 昆虫族 1500/1000
このカードが戦闘によって相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを破壊した場合、自分の墓地に存在するレベル4以下の昆虫族モンスター1体を選択して特殊召喚する事ができる。
下級の昆虫族なら何でも蘇生できるというのは便利。昆虫族関連効果としては初の、種族専用蘇生効果だ。
問題は効果の発動タイミングである「守備モンスターを破壊した時」。困難なわけではないが、問題はふたつ。ひとつはやはり相手を守備表示にする必要がある点だが、この効果に関しては他のスパイダーと違い、裏守備を殴り倒した時でも発動するので、普通に使っている分にも発動タイミングは訪れやすい。もうひとつは攻撃力1500なので、ある程度の守備力があるモンスターは戦闘破壊し難いことか。「収縮」や「強者の苦痛」などの戦闘補助は守備力に影響を及ぼさないし。
しかし使いやすい部類に入る効果ではある筈。昆虫族の効果にありがちな「戦闘破壊して墓地へ送る」必要はないので、羊トークンを殴り倒して出てきた「クロスソード・ハンター」で貫通追撃や、スパイダーの戦線補助ならば「グランド・スパイダー」を壁にしても良い。あとに繋ぐなら昆虫族の下級代表、「代打バッター」も「共鳴虫」もいるし、自身もレベル4なので連続蘇生に繋ぐなら「おジャマトリオ」との相性も良かったりするかもしれない。
スパイダー戦術の核になりそうなのはこいつとグランド・スパイダーか。とりあえず、期待しても大丈夫なレベルの筈だ・・・たぶん。・・・しかし、このネーミングはどういう意味があるんだろう。スパイダーって蜘蛛以外の単語、あったかな?
●マザー・スパイダー ☆6 闇属性 昆虫族 2300/1200
自分の墓地に存在するモンスターが昆虫族のみの場合、このカードは相手フィールド上に表側守備表示で存在するモンスター2体を墓地へ送り、手札から特殊召喚する事ができる。
だから種族統一縛りまであるなら相手の表示形式を縛る必要なんて無いじゃない・・・! と、言いたくはなってしまうのだが。スパイダー関連ギミックは、既存の昆虫族デッキに無理なく入りそうなのは「スパイダー・スパイダー」くらいだろうか。あとはしっかりスパイダーの持ち味が活かせるようなデッキ構築が必要そうだ。
除去不足だった昆虫族にやってきた、実質除去内臓モンスター。なのだが、裏守備なら兎も角表守備を2体という状況は、自分から作らない限りなかなか作れないだろうし、そのために表示形式変更カードを積むのならその枠が除去カード枠となるわけで・・・除去に割くスペースがないから無理なく積める除去持ちが欲しかったのに、積めるけど無理はあるじゃないかっ!
とりあえず、通常召喚も可能、というのは及第点。これで特殊召喚しかできなかったらお前さんちょっと、なぁ・・・。腐った場合でも「代打バッター」や「洗脳」から召喚はできるわけだ。せめて攻撃力があと100、200高ければ・・・もっと評価できたんだけどな。
相手を守備表示にしつつ、使い回しが効き、自分の行動を阻害しない・・・そして単品でも腐り難いような、そんなカードが登場すれば・・・!
●地縛神Uru ☆10 闇属性 昆虫族 3000/3000
「地縛神」と名のついたモンスターはフィールド上に1体しか表側表示で存在できない。フィールド上に表側表示でフィールド魔法カードが存在しない場合このカードを破壊する。相手はこのカードを攻撃対象に選択する事はできない。このカードは相手プレイヤーに直接攻撃する事ができる。1ターンに1度、このカード以外の自分フィールド上に存在するモンスター1体をリリースする事で、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、このターンのエンドフェイズまでコントロールを得る。
というわけで、ちゃんと収録が確定されました、やっと安心できました。地縛神、ウルです。これでウルトラレア枠に地縛神が3枚も入りました。興味のない人には恐ろしいパックになってしまいました。
地縛神は共通効果だけである程度以上には強いので、まず考えるべきは効果の使いどころよりも種族などを活かしたサポートの使い道や、相性の良いフィールド魔法。このカードの場合は無論、代打バッターにより特殊召喚が可能である点、自壊しても「大樹海」から後続の地縛神をサーチできる点が他の地縛神にはない利点。3000/3000のステータスだけならば、地縛神の中では満点だ。
効果はアニメより弱体化しちゃったけれど、コントロール奪取は弱い効果ではない。「1ターンに1度」「エンドフェイズ時まで」「相手の表側表示モンスターを」、どれかひとつでも制約を緩くしてくれるだけで強いんだけど、まぁそこはバランスか。コントロール奪取したモンスターで攻め、使い終わったらぽいする、という戦術を取るならば「古の森」が使える。似たようなことができる「スパイダー・ウェブ」よりはこちらのほうが相性がいいかもしれない。が、やっぱり3000ダイレクトアタッカーなんだから、自分も攻撃に参加したいもの。とすると結局「森」か、あるいは同パック収録の「サベージ・コロシアム」が、もしかすると使えるかもしれない。
とりあえず、昆虫族の新たなボスですから。期待しちゃいます。
●スパイダー・ウェブ 魔法カード・フィールド
モンスターが攻撃宣言をした場合、そのモンスタはダメージステップ終了時に守備表示になり、そのモンスターのコントローラーから見て次の自分のターンのエンドフェイズ時まで表示形式を変更する事ができない。
しっかり専用フィールドまで登場してくれたのだが、昆虫族との相性が良いというわけではない。悪いわけでもないけれど・・・。スパイダーとの相性面で合わせていくべきなのだろう。
守備表示の相手をどうこうして効果発動の多いスパイダー、このカードで守備表示にされたくはないなら、相手もなかなか攻撃に転じてはこないだろう。ならばそこを突きたいもので、昆虫族としてならば「スカラベの大群」「イナゴの軍勢」といったあたりが相性が良い。「マザー・スパイダー」の餌には2体の守備表示モンスターが必要なので、1体ずつしか攻撃してこないという戦術も取れるが、そういう時は「くず鉄のかかし」でフォロー、ってあれ・・・スパイダー必要かなこれ。スカラベイナゴで充分強いんじゃ・・・。
1体ずつで攻撃してきた時は守備になったその1体をスパイダー・スパイダーで反撃、破壊されたモンスターを蘇生・・・というのが理想の流れだろうか。んん、何か楽しそうだなぁ。大樹海と組み合わせれば、もっと嫌らしい動きを見せそうだ。何気に、このフィールドと相性の良い地縛神は、Uruよりチャクチャルア。
●無視加護 魔法カード・永続
相手モンスターの攻撃宣言時、自分の墓地に存在する昆虫族モンスター1体をゲームから除外する事で、その攻撃を無効にする。
相手の攻撃を封じることのできる永続魔法。どこかで見た表現だが、墓地の昆虫族を全て「ネクロ・ガードナー」に変える、と聞くと弱くはないカードに感じる。しかし、墓地リソースを多用する昆虫族において、墓地の昆虫族除外、というコストは重い。除外までしてるんだから、「薔薇の刻印」ぐらいのことはして欲しいところ。コストと効果が見合っていない感じ。除外を利用するギミックが昆虫族に積めれば・・・だが。そろそろ出てもいいんじゃないかなぁ。
●スパイダー・エッグ 罠カード・通常
相手が直接攻撃を宣言した時、自分の墓地に昆虫族モンスターが3体以上存在する場合に発動する事ができる。そのモンスターの攻撃を無効にし、自分フィールド上に「スパイダートークン」(昆虫族・地・星1・攻/守100)3体を守備表示で特殊召喚する。
きっちり、ルドガーさんの使った昆虫族関連のほぼ全てのカードがカード化されるのはこれ以上ないのだが。文句は言わないけれど、何も考えずに既存の昆虫族デッキに突っ込めるカードって本当に少ないな・・・。
攻撃を無効化するのはダイレクトアタック時のみ。これがこのカードを少々使い難くしているか。無効化したあとはトークンの生成、後続のモンスターの攻撃もきちんと防いでくれたり、また生贄召喚のサポートになったりするのは有難いんだけど、昆虫族は生贄召喚するほどのモンスターが少ないのと、代打バッターの存在から生贄確保があまり必要ないのがネック。チューナーも存在しないため、トークンを生成したあとの活用法が、壁くらいしかないのである。地縛神に特化するなら、2体を使って生贄召喚、残った1体はUruの効果発動コスト・・・なんて、うまくいくといいけれど。昆虫族デッキなら発動条件を満たすのは容易だけど、初手から使えないのも微妙に痛い、のかも。墓地を減らす「デビルドーザー」と「貪欲な壺」との兼ね合いにも注意。
スパイダーの持つ戦術・カラーは、「表側守備表示」。表側守備表示の相手を破壊したり、また殴り倒すことで効果を発動したり、といった効果を、相手を守備表示にする効果でサポートする形か。トリッキーで楽しそうなのだが、あともう一歩、パンチが欲しいところ。これらの効果同士を繋いで一本にできる効果のカードが登場しないだろうか。種類数的にモンスター枠は厳しそうだが、魔法・罠でもう1,2枚ほどでもサポートカードが収録されないだろうか、と期待してみる。
タッグフォース4の特典カードのほうも、紹介しておこう。
●ウォーム・ワーム ☆3 炎属性 昆虫族 600/1400
このカードが破壊された場合、相手のデッキの上からカードを3枚墓地へ送る。
ルドガーに洗脳された牛尾さんが使っていたカード郡が、タッグフォースの付属カード。絶対カード化されないと思っていた。
で、このカードはデッキデス。爬虫類族ではないワームにして、「ニードルワーム」の系列なのだろう。破壊枚数はニードルワームより少なく、条件は破壊された時。やっと時代にあわせてきたか、昆虫族だけどこのカーも墓地へ送られる必要はない。特化させるなら「ブロークン・ブロッカー」や大樹海で使い回したり何だり、ということはできるかもしれないが・・・少なくとも昆虫族デッキとして使うようなカードではないかも。
●ワーム・ベイト 魔法カード・通常
自分フィールド上に昆虫族モンスターが表側表示で存在する場合のみ発動する事ができる。自分フィールド上に「ワームトークン」(昆虫族・地・星1・攻/守0)2体を特殊召喚する。このカードを発動するターン、自分はレベル3・4のモンスターを召喚・特殊召喚する事はできない。
数少ない、ちゃんとした魔法・罠での昆虫族サポートの新たな一枚。比較するべきは「迷える子羊」や「終焉の焔」等。昆虫デッキ専用であること、速攻魔法と通常魔法との差、召喚制限の差など。速攻魔法でないのは残念だが、このターンにかかる召喚制限はレベル3・4のモンスターの召喚・特殊召喚のみ。それ以外のレベル帯のモンスターは自由に展開できるし、セットは可能。珍しく、反転召喚も可能。悪くなさそうだが、デメリットとしては自分フィールドが空の時に、レベル3or4のモンスターを召喚、すぐにワーム・ベイトに繋ぐ、ということが出来ないことか。共鳴虫などを守備表示にしておけばほぼ確実に次のターンには使えるとはいえ、やはりどうしても昆虫族は初速が遅い。
そして、「スパイダー・エッグ」の項でも述べたとおり、トークンのうまい利用法があまり無いのだ。このカードもスパイダー・エッグも、トークン生成系カードの中ではなかなか性能は高めであるため、トークンの活用先となるカードが登場するだけで化けそうなのだが・・・。